ハリドワールで初体験
- soma

- 2019年10月24日
- 読了時間: 5分
更新日:2019年10月24日
『私騙されませんから』
インドの話をするときの彼女
武勇伝を語るかのように
何度も繰り返すということは
唯一の自慢の証だろう
どんなにお土産をごり押しされても
リキシャに必用に声を掛けられても
悲しげな老婆がよってきても
子供たちに囲まれても
例え片足の少年がバクシーシを求めてきても
一点をただただみつめ
何も聞こえないかのように
歩き続け そこから去ることができる
これがインド旅の極意だと
本気なのか冗談なのかわからない笑みを浮かべながら
インドを語る
しかし
今回はそうはいかなかったようだ

沐浴場のハル・キ・パウリ
ハリドワールのアールティは
バラナシのように観光化されていないから
心に響く
なんていう情報をネットでひろった私
バラナシ
あのガートが大好きな私は
ならばあの感動以上を体感しようと
今回ハリドワールに一泊を決めました
しかしね
そうなんですよね
体験はあくまでもその方の体験であり
好みもある
その時の体調やお天気やら
なんやらかんやらで
感じ方は人それぞれ
口コミはあくまでその方の感想であり
私ではないのです
今回のハリドワール滞在は
9/29
そうなんですよね
10/8インド三大祭りのひとつの ダシェラ
その前期間
ダシェラの前日までの9日間はナヴラトリ
そうです
その初日
お祝いのスタート日だったようで
ホテル周辺も夜中まで
神様たちのエレクトリカルパレードでした

爆音半端有りません
寝かせもらえません

そんなお祭り期間もあってか
日没にはじまる
アールティをめざしガートへ向かう道のり
すごい人でした
しかも
沐浴場のハル・キ・パウリ が見えてくると
『そっちは女性じゃない こっちだ』
『オレが案内してやる』
『そっちは行けないぞ』
などなど
次から次へと
自称ガイドな殿方たちに
タックルされるのであります
(本当の親切ならごめんなさい)
そう
そこはもちろん
『私騙されませんから』の私は
ガン無視で突き進んで行ったのですが・・・
ハル・キ・パウリ にやっとこと到着し
よっしゃと写真を撮った
その瞬間

Tujh Mein Rab Dikhta Haiのシャールク・カーン↑にクリソツな
白のクルタの男性が
『やーマイシスター待っていたよ
アルティはこっちだよ
その前にここが沐浴場だ
いっしょに見てみようか
どこから来たんだい
ぼくはサンジャイさ
君の名は?』
有無を言わさぬ早業でエスコート
なんでしょうか
50年生きてきたかなかでナンバルワンなナンパ
考えさせない攻撃といいますか
歌舞伎町にもいない最速スピードキャッチ
あっという間に私は沐浴場で花かごを持たされ
サンジャイの部下の若者にマントラを教えられ
結果2000ルピーを要求されるという・・・
いやいや神様はね
そんな要求しないらあ
だってちゃんと神様大切にしてるぜアタシ
といことで
こんな時の為に常にサイフを二つ持ち
少額用の財布をみせ
本当にこれしかないんだと
500ルピーを払って
逃げサル始末
『私騙されませんから』はどこへ行ったやら・・・
帰り際
Tujh Mein Rab Dikhta Haiのシャールク サンジャイが
何事もなかったかのように
とびっきりの笑顔で
『マイシスター そーま! どうした?
アルティはこれからだよ
どこへ行くんだい』
とさわやかに声をかけてきたのですが
『うううううん、また戻るね~』
と
言ってホテルへトンボ帰りしたのでした
アールティ見れずじまい
私騙された?んですよね?
いやいやこれがハリドワールのやり方?
うん こういうルールなんかい
それとも真剣に私の幸せを願っての行為?
うん!?待てよ 神社のご祈祷は
日本で普通にありがたく5000円出すよね
なんて
想いながら
正直
沐浴場への誘導時
キターーーーーーーアタシ騙されてるう
というニヤリとした自分もたいりしたのです
もちろんね
誰もいない場所につれていかれる
とかではなかったから
変な余裕があったのかもしれません
が
このちょっとした余裕が
取り返しのつかないことになる場合もきっとあるのでしょう
全て紙一重
500ルピーあったら
ヴィシュワジのレッスン1回受けられるのになー
という想いはありつつの
いい勉強になりました
よくよく考えてみたら
外国人観光客が皆無の中
へらへら カメラで撮影している姿は
鴨がネギ背負ってだよね
そう考えると
外国人観光客がワンさといるバラナシは
逆にターゲットがいっぱいるから
騙される確率が低かったのかもしれないよね
しかも
12月というオフシーズンの滞在で
騙す側もオフシーズンだったかも
と
こんなことを書くと
だからインドは危ない
怖いところと思うかもしれません
実際
こちらはケンコバが風俗で騙されたと話すような
ライトな感覚で
ケタケタ笑いながら話しても
『ホント怖い』とドン引きされたりします
でもね
面白いもんで
インドに行ったことがある方は
『500ルピー勉強料だったね~』と
まるでインドあるあるネタのようにいっしょに爆笑してくれるんですよね
この差
致し方ない
なので
こういう経験を話して
インド嫌いになったら困るわーと悩んだりもしましたが
そもそも
眉を顰め だから嫌!という方は
インドへ行くと言う発想が一ミリもないし
海外へ行こうともあんまり思ってらっしゃらない
以前のブログにもかきましたが
何もひとりで行かずに
もっと安全安心な旅の方法はいくらでもありますもんね
いや
それにしても考察
制服効果ってすごいね
偽ガイド(いやホントの親切かも)の皆さんの服装は
絶対違うよと頑固無視だったのですが
サンジャイの白のクルタに
ピッチリした清潔感溢れる髪型に
職員さんですよねと勝手な思い込み バイアス
コロッといってしまった
ということは
ひうひとつの制服効果
自分自身がね
意識的にこうなるという自分の姿の外見をしていれば
自分が自分にコロッと騙されて
そういう自分になることができる!ということですよね
なるほどなるほど
サンジャイありがとう
ハリドワールの初体験で
私も大人になれました

ハリドワールのアールティ
いつか
もちろんリベンジ致します
◇追伸
サンジャイはじめ関係者のみなさま これがちゃんとした作法であり
神への祈りの神聖な場で
それを知らずに
訪れた外国人観光客の無知以外の
何ものでもなかったら
大変申し訳ございません
ご無礼をお許しください



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