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  • 執筆者の写真soma

ヨガの歴史③ ヨーガスートラ、バガヴァッドギーター登場

更新日:2021年10月17日


こちらの記事は

2018/12/18.19の記事の続きです

そちらをご一読後お読みください

では、ヨーガが体系的に整理されたのは、

いつになるのだろうか。

歴史的には、

3世紀に入り大乗仏教などを生んだクシャーナ朝は衰え、

北インドはしばらく分裂状態が続いた。

4世紀前半、

チャンドラグプタ1世が北インドを統一し

グプタ朝をひらいた。

次のチャンドラグプタ2世(中国名:超日王)の時が最盛期で、

この頃中国から仏教研究のために法顕(ほっけん)が訪れてもいる。

この王朝では仏教とともにヒンドゥー教も信仰され、

その後仏教を圧倒していく。

仏教美術は頂点に達し、

グプタ様式という純インド風の美術が完成した。

アジャンター石窟寺院の壁画はその代表例である。

また、グプタ朝はインド古典文化の黄金時代で、

サンスクリット文学が栄え、

ヒンドゥー教の経典『マハーバーラタ』や『

ラーマーヤナ』もこの頃に作られた。

医学や数学、暦の発達も著しく、

10進法やゼロの概念はイスラーム世界に伝えられ、

自然科学発展の基礎となった。

この王朝は中央アジアの遊牧民エフタルの

侵入をうける5世紀後半までつづいていた。

インド文化が花開いたこの時期、

400年~450年頃に根本経典

『ヨーガスートラ』も成立したと言われている。

作者は、パタンジャリと言われているが

実在した人物か定かではない。

長い間にわたりサンキーヤ哲学の思想を選びだして

編集したのではないかという説もある。

作者を重視しないインドらしい点である。

『ヨーガスートラ』は、195の格言からなり、

全体で4章52節から構成されている。

ヨーガによって心の作用を制御し、

輪廻転生の原因である煩悩、

その先にある要因の無明を除去できれば

解脱の道が開けるとしている。

この文章だけでも、

大変仏教に影響されていることがわかる。

現代でも多くの解説書が出ているが、

理論を体系づけ、

解脱への実践方法も書かれているこの『ヨーガスートラ』は、

現在私たちが読んでも全く色あせていない。

そのもとになっているサンキーヤ哲学は、

二元論的多元論といわれている。

世界の究極原理を真我(プルシャ)と

自性(プラクリティ)の二つに分け

この二つは決して融合することはないとされ、

プラクリティは、世界で一つだが、

プルシャは生き物の数だけあるといわれている。

本来このプラクリティとプルシャは別であるのに、

今目の前で起きていることをプラクリティとプルシャが一体となり

あたかも同じであると錯覚してしまうことから、

煩悩が生まれ苦しみも生まれる。

本来のプルシャはただ眺めている観照者であり

既に解脱していることを悟れば

もともとの二元に戻り

静かな世界になるのである。

その静かな世界に戻る方法が

ヨーガなのである。

サンキーヤ哲学を元にしてはいるが、

ヨーガ独自の部分もある。

それは、イシューワラ(主宰神)を認めている点である。

そして、具体的な実践法は、

アシュタンガヨーガと言われる八実習法を説いている。

①ヤマ②ニヤマで日々の生活の中でやっていけないこと推奨されることがあり、

③アーサナで坐法④プラーナヤマで調息

⑤プラッティーアーハラで制感⑥ダーラナ(集中)

⑦ディヤーナ(瞑想)⑧サマーディ(三昧)この三昧こそが、

主観的な感情や先入観によって歪められない

物事をありのままに見ることができる世界なのであり、

解脱となるのである。

のちにこのパタンジャリの

ヨーガスートラ』は、ラージャ・ヨーガと言われた。

この時期には前出にもあるようサンスクリット語の発達とともに、

『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』という二大叙事詩も現れた。

以前から語り継がれていたが現在の形になったのは、

400年頃と言われている。

両者とも壮大な物語であり

古代インドの風俗・伝説・宗教などをみることもでき

今でも語り継がれている文化遺産と言っても過言でない。

18巻ありアーリア人が北西インドに侵入してきた頃の

王位継承に絡む大戦争を綴った

『マハーバーラタ』の第6巻の部分が

『バカヴァッド・ギータ』なのである。

主人公アルジュナが戦を前にして

自分の身内や友人達が敵方にいるのを見て

戦意を失う。

そこにクリシュナ神が

アルジュナに智慧のギヤーナヨーガや

結果に執着をしないで各自の義務や

本務を遂行することによって解脱するカルマヨーガ

・絶対神への道バクティヨーガを用いて

励まし戦いの不安を取り去るという内容である。

今まで出家をしてヨーガを行じる道しかなかったが、

無執着の行為の解脱・神を信愛するものが最も優れた修行者という

『バカヴァッド・ギータ』の教えにより

多くの人々にヨーガへの門戸が開いたと推測できる。

参考文献

ヨーガ根本経典  佐保田鶴治

続ヨーガ根本経典 佐保田鶴治

ヨーガの思想   山下博司

いまに生きるインドの叡智 成瀬貴良

瞑想ヨーガ入門  綿本彰

ヨーガを始める人のために 田原豊道

YIC日本語版・講義資料集 日本ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ・ケンドラ

YTIC四大ヨーガ資料集 日本ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ・ケンドラ

インド哲学としてのヨーガ 前田専学 2012.07.07.日本ヨーガ療法学会第十回研究総会In岡山配布資料

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