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フィルターバブルに気づくヨガ

  • 執筆者の写真: soma
    soma
  • 7月21日
  • 読了時間: 4分

選挙がありましたね。投票に行かれましたか?

中には「行っていない」という人もいて、 私は驚きました。 「人生の放棄」とさえ感じ、 「これからの社会に文句は言えないよ」 と思ってしまいましたが、 そうじゃない。 投票に行けないほど余裕がない、 あるいは「行っても何も変わらない」 と感じている人もいるんです。 私と異なる立場や考えがあるのは 当然のことですよね。

それでも、 あれほど選挙演説に人が集まっていたのに、 結果を見ると「不正なのでは?」 と疑いたくなる気持ちもわかります。 でも、それもまた違うんです。

SNSが生み出す「正しさ」の錯覚

インターネット、特にSNSが普及したことで、 私たちは自分と同じ考えの投稿ばかりを 目にするようになりました。 「みんな私と同じように考えている」 「だよね、だよね! 私と同じ価値観の人がいっぱいいるんだあ」 と思いがちですが、 それは大きな勘違いです。

実は、 Googleなどのアルゴリズムが、 あなたの好きそうなもの、 興味があるもの、 考え方に合うものを 選んで表示しているだけ。 これを「エコーチェンバー」と言います。

この事実を知らないと、 自分と同じ考えの人だけで 世界ができていると錯覚してしまうんです。

そして、 似たような考えの人たちと集まり、 それが唯一の「正しさ」であるかのように 信じ込んでしまうこと。 それが「フィルターバブル」です。

バブルの中にいることは悪いことじゃない

フィルターバブルの中で生きること自体は、 悪いことではありません。 信じるものがあるのは 素晴らしいことです。 でも、 あなたの信じているものだけがすべてではない、 ということを忘れないでください。 あなたと同じように 信じるものを持って生きている人はたくさんいますが、 その「信じるもの」は千差万別。 あなたが信じられないことを信じている人もいます。

だからこそ、 その外にあるものを否定したり、 批判したりするのは違うんです。 それは、 自分がフィルターバブルの中にいることを 自覚していないから。 まさに「無知」からくるものかもしれません。

ヨガの世界にも潜む「正しさ」のバブル

このフィルターバブルの現象は、 ヨガの世界でも同じように見られます。

「この先生のヨガこそが本物のヨガ」 「運動ばかりでヨガじゃない」 ——こんな声はヨガ「あるある」ですよね。 誰かが言っていることだけが 真実なんてことはないですし、 ヨガは本来、そういうものではありません。 ヨガが国際ヨガデーが制定されるまでに 世界中に広まったのはなぜでしょう? それは、解釈の自由があったからこそ、 ヨガは多様な形で世界中に受け入れられたんです。 「あれは違う、これが正しい」 なんていうことはないんですよ。

ヨガ哲学では、苦しみの原因は「無知」だと説かれています。 自分の思想だけが世界のすべてだと思い込み、 自分が今、 同じ思想を持つ人たちとの バブルの中にいることすら知らない。 この「無知」こそが、苦しみを生み出すのです。

信じるものがあることは素晴らしいけれど、 それ以外のものを否定する必要はありません。

ヨガは「方法」であり、誰かのものじゃない

インドの師匠が教えてくれた大切な言葉があります。

ヨガはドグマ的 特定の教義に縛られるもの)ではない、と。

「ヨガは方法であって、 誰か一人の師匠から授かるものではない。 師匠はその方法を教えてくれるだけ。 自分がヨガをして、自分がヨガとつながるのです。」

だから、 誰かを通じてでなければヨガとつながれない、 なんてことはありません。 方法を知り、実践すること。 それがヨガなんです。 だから、 「あれはヨガじゃない」 「運動ばかりでヨガじゃない」といった批判は、 本来必要ありません。

それに、ヨガ哲学では、 好きも嫌いも「執着」から生まれるものだと考えます。 結局、本質的には同じ穴のムジナなのかもしれませんね。

ヨガは、 あなたの世界を狭めるものではありません。 むしろ「無知」を手放すことで、 もっと広い視野と高い視点でものごとを見られるようになる。 それこそが、ヨガの本当の魅力です。

自分を知ることから始まるヨガ

その広い視点を持つための第一歩は、 まずそのあなたのまなざしを自分自身に向けることです。

そう、 ヨガは自分を知ろうとすることから始まるんです。 自分を知ろうとするからこそ、 内観が生まれる。 内観があるからこそ、 心や身体が調えられていく。 それがヨガの始まりです。

そして、それは分断ではなく、 「違いとともに在る」世界への入り口でもあります。 フィルターバブルの中にいる自分を知ること。 それこそが、 ヨガ哲学の第一歩なのかもしれませんね。

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ヨガのことなら ヨガ講師 野中由美

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